第54章
植田真弥は彼女の肩を優しく叩きながら慰めた。「大丈夫、私がいるから」
水原遥は鼻をすすり、その直後に看護師がカートを押して入ってきた。
水原遥は看護師が手に何箱もの薬を持っているのを見るなり緊張し始めた。「薬は飲みたくない」
彼女は幼い頃から薬を飲むのが一番嫌いだった。あの薬が苦いと感じるからだ。
注射なら我慢できても、薬だけは嫌だった。
「あの...注射なら大丈夫です。点滴も受け入れられますが、薬だけは勘弁してもらえませんか?」
そんな発言を予想していなかったのか、看護師は一瞬戸惑い、手に持った薬をどうすべきか迷っているようだった。
彼女は助けを求めるような目で、傍に立ってい...
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